補題8.2
任意の大きさの球体と, それを互いに交わらないように
平行移動
させた
に
対して,
である.
証明
定理8.1より, 球体 は -逆説的であるから,
の部分集合 は, に属するすべての点の原点からの距離が
ある一定数より小さい
とき, は有界であるという.
証明
定理6.1 ベルンシュタインの定理よ
り,
なので,
を証明する.
となるような球体を選ぶ.
の有界性により、
と同じ大きさの球体
を
動揺にして も示せるので、
である。
これで, バナッハ・タルスキーの定理の証明が完成した.
参考文献
砂田 利一 :「バナッハ・タルスキーのパラドックス」
志賀 浩二 :「無限からの光芒 〜 ポーランド学派
の数学者たち 〜」
林 晋 :「パラドックス」
内田 伏一 :「集合と位相」
志賀 浩二 :「群論への講」
石村 園子 :「すぐわかる代数」
新妻 弘・木村 哲三 :「群・環・体 入門」
「現代実用辞典」
Stan Wagon :「 -
」
Cambridge Univ. Press, Cambridge, 1985
Francis Edward Su : The Banach-Tarski Paradox
~
Frank Wikstrom : The Banach-Tarski theorem
~