測度と確率授業日誌


4月6日

授業の予定表です。

プレテスト:8割り以上正解であって欲しい。
自主的に考え・悩むことを期待しています。 しかし、それも程度問題なので、オフィスアワー等の質問の時間を 活用して下さい。
授業では、ポイントとなる考え方・見方をできるだけ取り上げる予定です。 それ以外の、証明の細部・計算のお稽古等は、各自で補って下さい。

今日は、以下の項目を復習しました。
sup, inf, limisup, liminf, りーマン積分、ダルブーの定理
記憶が怪しい項目は、実数論講義ノート等で 復習しておいて下さい。

4月13日

細かい記号の定義を除いて、今日の主な内容は、
総和法(絶対収束級数)
有界閉集合のコンパクト性(Bolzano の定理)
一様連続性(Heine の定理)
でした。総和法と一様連続性をとくに復習しておいて下さい。

4月20日

連続関数のリーマン積分を線型汎関数として見直しました。 リーマン積分は、一様収束と相性が良いので、一様収束についても復習しまし た。各点収束が一様収束を保証する重要な場合として、Dini の定理を紹介し ました。これは、あとで見るように基本的な役割を演じます。

次回の試験範囲: (i) 級数の絶対収束と条件収束、 (ii) 関数列の各点収束と一様収束。

4月27日

これまでの授業の復習をし、 予定通り試験1をしました。

5月11日

これまでは、まあ、言ってみれば準備。ここからスタートです。 連休も終わったことですし。2か月、いやせめて1か月だけでも 必死に考えてくれるとありがたい、というか、そうしないと 授業受ける意味がなくなります。

今日は、ベクトル束とその上の積分の基本性質をしました。 まだソフト路線のつもりでしたが、復習だけはしておいて下さい。

来週からスピードアップを図ります。次回予定の講義ノートに 間違いがありました。修正版はその内にアップします。 予習の際には、気をつけて下さい。というか、まずいところが どこか捜しながら読んで貰えると嬉しい。

5月18日

積分の拡張の続きとして、上積分・下積分の準備の後、 可積分関数の定義とその積分まで到達しました。
何度もしつこく言っていますが、皆さんにとって、 こういった知識あるいは技術そのものよりは、 そういったものを修得する過程がきわめて重要となります。
是非、自ら紙とペンを執って味わい取って下さい。 とくに、Dirichlet 関数の積分の辺り。

ノートの修正版を上げておきました。

5月25日

可積分関数の上にまで拡張された積分が、 正線型汎関数であることを確かめた後で、 最初の収束定理である単調収束定理を示しました。
これは、言い方を変えると、拡張された積分汎関数が単調収束に関して 連続であるということです。

この段階で、 いわゆるリーマン積分を含む拡張であることを示すことができます。 是非、検証してみて下さい。

6月1日

今日から6月、そろそろ梅雨の気配が感じられるようになってきました。 暑さと湿度。

死者を悼む言葉に、「慙愧に堪えない」というのは、 思わず本音が出てしまったということでしょうか。 本当は、恥ずかしい思いをしていたということで。 あるいは威勢だけで言葉を発してきたことのつけなのでしょうか。

今日は、先週やり残した、 dominated convergence theorem の解説をしてから予定通り、 試験2でした。 その内容は、...、慙愧に堪えません。

6月8日

紫陽花が咲き始めたようです。 蚊が元気になる季節到来。

以下のように予定を変更します。
7月13日 休講
7月20日 試験4
7月27日 補講

授業の内容も、少し変更しました。 単調性に関する部分は、極力しない。 測度の説明は最小限に止める。 ということで、 今日は、積分から測度の辺りを説明しました。
泥縄式でやりはじめたもので、うっかり間違い・勘違いがあるかも 知れません。気をつけて受講あれ。

6月15日

内容の変更に伴い、授業のノートを差し替えておきました。 量も減らしてみました。

6月22日の試験3の範囲は、 (1)測度の定義と(2)関数和のほとんど至るところの収束です。

6月22日

3回目の試験3をしました。 積分の計算の基礎に問題がある人が意外にも多く、ショックでした。 これ以上書くと、公開されていることでもあり、ちょっとあれですね。 どうしたものだろう。

6月29日

やっと、梅雨らしくなってきました。

今日は、繰り返し積分の公式 (Fubini の定理と呼ばれるが、もとは Lebesgue なわけで、 しかも Fubini の証明は不完全だったということでもあるし)を説明(証明)しました。
実際の計算例は、来週行います。あともう少しですね。

7月6日

今日は、ルベーグ積分の計算練習も兼ねて、 微分と積分の順序交換と複素値関数の積分について説明しました。 要点は、押さえ込み関数があれば、気楽に計算して良いということです。

参考書として、 ユルゲン・ヨスト「ポストモダン解析学」(シュプリンガー) を追加しておきます。この本の第VI部が、授業とほぼ同一の構成になってます。 こういうのがあることを知っていたら、無駄な努力をしないで済んだのですが、 とき既に遅し。しかし、世の中、似たようなことを考える人がいるもので。


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