微積分学I授業日誌


4月18日

微積分は高校でもかなり勉強したはずです。 この授業では、 高校の数学IIIに直接続くような 数学IV的な内容のものを扱っていきます。
すでに馴染みの事項もあるでしょうが、 高校の授業にはあまりないであろう数学における「自由な雰囲気」 を心がけたいと願っております。
記号は、基本的にどのようなものでも使っていいですし、 方法・考え方だって一様とは限りません。 不等号の記号も、自由に好きなものをどうぞ。

さて、春もたけなわということで、桜は終わってしまいましたが、 是非、偕楽園を訪れてみてください。 (水戸は、これしかない?)
好文亭のわきにゴロンとした石碑があります。 柵もあって、ほとんど読めない(漢文ですし)と思いますが、 その碑文の拓本が水戸市役所に飾ってあるはずです。
塵芥のような環境でも、こういった気持ちを維持したいものです。
偕楽園案内 にその解説文があります。

授業とは関係無いことを書きすぎてしまいました。
今日は、対数関数、冪関数、指数関数の増大度のスピード比較を しました。感覚として、身につけておいてください。
来週は、逆三角関数の微分とその応用の積分計算を予定しています。

試験のお知らせ:5月2日予定。

4月25日

今日は、逆関数と逆関数の微分の復習 (数学III)をして、 3種類の逆三角関数とその微分について説明しました。
逆三角関数については、arcsin と arctan が基本的なので、 この2つを復習しておいて下さい。
来週の試験ですが、 範囲は、(1)関数の増大度のスピード比較とその応用としての 極限計算、(2)逆三角関数とその微分、です。 ごく基本的な事柄を問う問題とする予定です。

5月2日

前回までの復習+ちょっとした問題演習をした後で、 予告通り試験です。 (cal1test1.pdf, cal1test1.ps)
普通に勉強してあれば易しいはずですが、 学力不足を感じたら、どうか早めに手当てしてください。 ご相談に応じます。

次は、定積分の予定です。

5月9日

定積分の意味、わかりましたでしょうか。 昔は、高校でもこの流儀でやっていたものですが、 いつの頃からか、「計算主義」に陥ってしまい消えてしまったようです。
難しいから教えないでおこう、 というのは、とても失礼なことですね。 反省しなくては。

今日は、積分の意味の説明に時間を取られて、 具体的な計算はあまりできませんでした。
円積分の公式を部分積分を使って arcsin に還元することで、 逆三角関数の積分への応用+部分積分の運用法 を解説しました。

来週は、積分の計算法の続きとして、置換積分と有理関数の不定積分を する予定です。

5月16日

1回目の試験結果については、もう少しお待ち下さい。

今日は、積分の第二弾として、置換積分の基礎的な問題と、 部分積分の方法を使った漸化式の計算をしてみました。 授業でも説明したように、具体的に覚えるべき公式は、 微分のそれを積分に書きなおしたもので充分で、 部分積分とか置換積分は使い方のこつがわかれば、結構です。
とくに、部分積分というのは、積の微分公式の運用に他ならないので、 普通、本に書いているような、いわゆる「公式」と思わないほうが、 役に立ちますし、計算間違いもしないで済むでしょう。
計算経験が足りない方は、充分練習しておいて下さい。

次回は、積分の仕上げ(?)として、三角関数が関係した積分と 有理関数の積分を取り上げる予定です。

次回の試験は、5月30日、範囲は積分です。 もう少し詳しい情報は、次の授業で。

5月23日

有理関数の不定積分の計算方法を、説明しました。
変数変換(置換積分)と組み合わせることにより、 不定積分を計算する多くの問題がこの場合に還元されます。
授業では、その典型例として、三角関数の有理関数を調べました。

来週は、少し復習と補足説明をしてから、2回目の試験です。 範囲は、積分の計算です。
逆三角関数の微分の公式、 有理関数の不定積分、 置換積分と「部分積分の方法」 の辺りをとくに復習しておいて下さい。

5月30日

積分の試験をしました。
「数学相談室」を開設します。 微積分、行列代数、集合論入門の よろず勉強相談に院生が応じます。
毎週水曜日
午後1:30−2:30
C229(セミナー室)

(cal1test2.pdf, cal1test2.ps)

次回は、テーラー展開に入ります。

6月6日

今日は、テーラー展開の1回目です。 授業でも強調したように、ここが無限小解析学の最大の山場です。

積分を使った Bernoulli の公式から展開式を導いてみました。 マクローリンという名前も本とかに出てきますが、 名前の由来とか、なかなか、人間臭いものがあるようです。 Webで調べてみるといろいろわかるかも知れません。

具体的な関数のテーラー展開(指数関数、三角関数2種類、対数関数、冪関数) は次の試験までに覚えてしまいましょう。

具体的な応用の方法は、次回にやります。

6月13日

梅雨に入りました。おまけに今日は13日の金曜日(それがどうした?)。 ということで、テーラー展開の第二弾は、近似値計算への応用です。
うっとうしいのは、近似値の計算というよりは、誤差の評価の部分です。 積分の不等式が威力を発揮します。
冪関数のテーラー展開を使った、計算方法(誤差評価方法)を是非復習して 置いてください。次回(6月27日)の試験で出ます、出します。
いやな天気ですが、意外と、みっちりした計算をするのに相応しいものです。 さわやかな気候のときは、スマートに解ける問題を考える、かな。

6月20日

梅雨の中休みというのでしょうか、夏が来たような暑さです。 このまま、夏に突入することはないでしょうが、 暑い季節はもうすぐそこなのでしょう。 授業は、「夏」になれば終了、というつもりでやっているので、 このまま梅雨が明けるようなことがあれば、困ったことになる、 というようなことは置いておいて、

今日は、テーラー展開の第二弾として、極限値の計算です。 無限大のスピード比較と同じような考え方で、 無限小のスピード比較ができます。
今日は、Landau の記号、という使えこなせれば便利なものも 説明しました。

テーラー展開を無限小のオーダーによる関数の近似式という見方は、 とても重要で、「無限小解析学」の真髄(はおおげさ?)と言ってよいでしょう。 講義ノートの前文でも書きましたが、「ロピタル式計算」は、 こういったことが分かった後で,使いたい人は使うのがよくて、 本来は、必須項目として取り上げるべきものではありません。
未だに、そういった本が幅を利かしていて困ったことではありますが。

来週の3回目の試験では、 極限計算と近似値計算(誤差評価を含む)が範囲ですが、 テーラー展開を使った計算(だけ)を復習しておいて下さい。

あと、残るテーマは広義積分だけとなりましたが、 (1変数)微積分全体の応用、といったものもいくつか紹介してみたいと 思っています。

6月27日

3回目の試験(テーラーの定理と応用)をしました。 テーラーの定理の意味を理解するために、 (1)近似値の計算と誤差の評価、(2)テーラー展開を使った極限計算、 の問題でした。

「ロピタル」という言葉が聞こえてきますが、これは、使わない方が身のためです。 世間の教科書で大きく取り上げてあるのは、間違いです、と断定してしまいます。
暑いのです、法人化なのです、やけくそなのです。 「学問の自由」を声高に叫ぶ人が、御上に魂を売っているのです。

天候不順につき、体調にご注意。発狂にご注意。
(cal1test3.pdf, cal1test3.ps)

7月4日

当方、体調不良につき、書く気力散逸。 広義積分の講義。危ない橋を渡れるか? 下手な会議に悪酔い。

試験(4回目):7月18日 泣いても笑ってもの最終試験かな? 試験範囲、広義積分の計算と証明、詳しくは次回の最終回、 満員御礼。
科学者とは何と非論理的な人種であることか。

7月11日

梅雨が最終段階に入ったような蒸し暑い日です。 ハードだった(楽勝だった?)この授業も、今日で、 実質的に終了です。 広義積分の追加の説明と積分の応用として、曲線の長さについて解説しました。 来週は、最終試験、試験範囲は広義積分です。

7月18日

今日の試験結果については、採点でき次第掲示します。 不明な点があれば急ぎ連絡をしてください。
来週は、「補習」の時間とします。 補習対象者も、掲示に出します。
その他の方は、泣いても笑っても、次学期まで、ごきげんよう。
(cal1test4.pdf, cal1test4.ps)


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