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次は, 非常に特殊な分割合同の例であるが, 後で必要となる.
定理 3.2
円周
と円周から円周上の一点
を除いた
部分集合
と
は,
次の回転群
に関して
分割合同である.
証明
円周
を絶対値
の複素数全体
と同一視しておく.
いま,
とおく.
このとき,
は
の対応となる.
を
にかけると
となるので, 定義
より
,
かつ
であるので, 定義
より
よって, 円周
と, 円周から円周上の一点
を
除いた部分集合とは,
回転群
に関して分割合同であることが示された.
この定理3.2は, 「バナッハ・タルスキーのパラドックス」の証明の
最後の段階で使う!
注意 3.6
分割合同になるかどうかは, 群の取り方による.
例えば, 閉区間 と 閉区間
とが分割合同であるかどうかを考えてみる.
であることから,
という“スケール変換
&平行移動”で表される群いわゆる, 次元の
ユークリッド変換群であれば分割合同になる. 一方, 平行
移動だけに限定すれば分割合同にはならないことが知られている.
Yamagami Shigeru
平成15年2月14日