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2元連立1次方程式
を行列の積を使って書けば、
これを , について解けば
問 5
この公式を導け。
(この公式は、覚えるものではなく導くものである。)
この共通に現われる分母の式を行列
の行列式 (determinant、意味は「決定式」) といい、
と書く。この記号を使えば上で与えた解の公式は
となる。
行列 を縦割にして
と書く。すなわち、
このとき、次の関係が成り立つ。
- 線型性 (linearity):
- 交代性 (alternating property):
- 規格化条件 (normalization condition):
問 6
上の性質を確認する。
面倒くさがってはいけない。こういう地道な作業を行うかどうかで、
今後の理解度が大きく異なってくる。
「あとで」と言わずに今すぐチェック。
一般化
未知数 を定数とみて第2、3式を , について解くと
|
(4) |
|
(5) |
そこで、(1) 式を
倍して、(4), (5) 式を代入すると
この両辺には同じ形の式が現れるので、3次の行列式を
で定義する。(1行目に関する展開。)
そうすると、上で求めた連立方程式の解の公式は、
などとなる。
3次の行列式の性質。
- 線型性:行列式
は各ベクトルについて、1次式の性質を持つ。
- 交代性:
,
,
のうち2つのベクトルを入れ替えると行列式の値にマイナス符号がつく。
- 規格化条件:
問 7
未知数
,
を3次の行列式を使って表す公式を導け。
問 8
3次の行列式についても上の性質を確認する。
これも面倒くさがってはいけない。
「あとで」は禁物である。
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Yamagami Shigeru
平成14年12月23日