このような形での微分方程式(入門)は、もっと早い時期に接するべきで、 4年生というのは、遅すぎるのですが、カリキュラムの現状、やむをえません。 昨年の解析学 IIでは、この微分方程式の入門(の入門)を少しだけ解説しましたが、 この講義の内容は、そのあたりから始まります。
実は、数理科学科では、
「コンピュータを用いた力学系入門」
「非線型物理学」
という、微分方程式を扱っている講義が2・3年で既に用意されているのですが、
数学系の学生は、全然履修していないようで、もったいないことです。
物理だ、数学だ、コンピュータだ、と区分けしすぎない方がよい。 もっと、色々、やってみて欲しいのだが。
と書いてから、早数ヶ月、私の微分方程式の講義も終わりました。
(ほっと、しました?
成績は、普段のレポート提出でつけるという公約どおりなので、授業を
欠席し続けた人は、ご注意。)
演算子法とかの計算技術は、ほとんど触れることができませんでしたが、
基本的な考え方は、いろいろと説明しました。
常微分方程式の解の存在定理は、説明だけで、証明を省略しましたが、
これについては、関数解析 I の方で、距離空間のコーシー列のついでに、
解説しました。
微分方程式においても、微積分と線型代数が重要で、この基礎数学とでも呼ぶべき
ものの総合学習を、授業では心がけましたが、どの程度その意を汲んでいただけたで
しょうか。
後期は、小野瀬先生にバトンタッチで、微分方程式の講義が続きます。