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後にでてくる群作用の概念に先立って, 群について説明しておく.
定義 1.2
集合
![$G$](img16.png)
の直積集合
![$G\times G$](img96.png)
から
![$G$](img16.png)
への写像が
与えられているとき,
この写像を
![$G$](img16.png)
における
二項演算という.
![$G\times G$](img96.png)
の
元
![$(a,b)$](img58.png)
のこの写像による
像を
![$a$](img97.png)
と
![$b$](img98.png)
の積といい, 記号
![$a\circ b$](img99.png)
と表す. このとき, 集合
![$G$](img16.png)
に
![$1$](img5.png)
つの二項演
算
![$($](img91.png)
または単に演算
![$)$](img92.png)
が与えられていると
いい,
![$(G,\circ )$](img100.png)
と表す.
定義 1.3
集合
![$G$](img16.png)
に
![$1$](img5.png)
つの演算が与えられていて, 次の条件を満たすとき,
![$G$](img16.png)
はこの演算に関して
群を成す
![$\bigl($](img2.png)
または
群である![$\bigr)$](img3.png)
という.
![$(G$](img101.png)
1
結合律
![$G$](img16.png)
の任意の元
![$a,\ b,\ c$](img103.png)
に対して
が成り立つ.
![$(G$](img101.png)
2
単位元の存在 ![$;$](img102.png)
特別な
![$G$](img16.png)
の元
![$e$](img105.png)
が
存在し,
![$G$](img16.png)
の任意の元
![$a$](img97.png)
に対して
![$a\circ e=e\circ a=a$](img106.png)
が成り立つ.
![$(G$](img101.png)
3
逆元の存在
![$G$](img16.png)
の任意の元
![$a$](img97.png)
に対して,
![$a\circ b=b\circ a=e$](img107.png)
となる
元
![$b$](img98.png)
が存在する.
例 1.1
有理整数の全体は加法に関して群になる.
例 1.2
![$0$](img108.png)
でない有理数の全体は乗法に関して群になる.
定義 1.4
群
![$G$](img16.png)
の部分集合
![$H$](img109.png)
が
![$G$](img16.png)
の演算に関して群になっているとき,
![$H$](img109.png)
を
![$G$](img16.png)
の
部分群という.
例 1.3
実数は加法に関して群である. 整数は実数の部分群である.
Yamagami Shigeru
平成15年2月14日