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行列の計算

数の配列(array)と添え字(index)。 行列 (matrix) の計算

$\displaystyle A = \begin{pmatrix}a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n}\\
a_{21} & ...
...s & \vdots & \ddots & \vdots\\
a_{m1} & a_{m2} & \cdots & a_{mn}
\end{pmatrix}$

$ m\times n$ 型の行列と言う。 とくに、$ 1\times n$ 型の行列を行ベクトル (row vector)、 $ m\times 1$ 型の行列を 列ベクトル (column vector)と呼ぶ。 また、$ a_{ij}$ を行列 $ A$$ i$-$ j$ 成分であるという言い方もする。

ここでは、行列として配列された範囲をはっきりさせるために 丸括弧を使ったが、角括弧を使う人も多い。 区切りさえわかれば何を使ってもいいし、紛らわしくなければ括弧で括る 必要もない。ただし、縦線で区切ることは普通しない。 後で出てくる行列式の記号と区別つかなくなって困るので。

縦割と横割を使うと、行列の積が

$\displaystyle (a_1,\dots,a_n)
\begin{pmatrix}
b_1\\
\vdots\\
b_n
\end{pmatrix}= \sum_{j=1}^n a_j b_j
$

の配列で構成されることに注意。

問 2   行列の計算を色々と実行してみよう。

命題 1.1   行列の和と積に関して、
  1. 行列の和に関して、結合法則 (associativity law) と 交換法則 (commutativity law) が成り立つ。
  2. 行列の積に関して結合法則が成り立つが交換法則は(一般には)成り立たない。
  3. 行列の和と積に関して、分配法則 (distribution law) が成り立つ。

問 3   次の2つの行列(ベクトル)の積を計算し、その結果を比較せよ。

$\displaystyle \begin{pmatrix}
a & b & c
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
a\\
b\\
...
...n{pmatrix}
a\\
b\\
c
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
a & b & c
\end{pmatrix}\ .
$

問 4   上の計算練習に関連して、

$\displaystyle \begin{pmatrix}
a & b & c
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
a\\
b\\
...
...begin{pmatrix}
a\\
b\\
c
\end{pmatrix}\begin{pmatrix}
a & b & c
\end{pmatrix}$

などという式を書いてはいけない。 何故か。

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Yamagami Shigeru 平成14年12月23日