行列 に対して
が逆行列をもてば
から
が出てくる。
逆に
としよう。 で から 行 列を除いた
次の行列を表すと、 行に関する展開式により
これはクラメールの公式 (Cramer's rule) と呼ばれ有名であるが、 以下では使わない。
この議論を繰り返すと、最終的に一次独立なベクトルの集団 で、全ての が これらの一次式で表されるものが出現する。 任意のベクトルは標準基底の一次式で書き表されるので、 の一次式で全てのベクトルが表示できる。 すなわち、 は基底である。
そこで、(ii) (iii) を示す。 そのために (iii) の条件をもう少し 詳しく調べる。具体的には、連立1次方程式 を 解いてみる。
ベクトル に対して、
[別解] (iii) の否定を仮定すると、 は一次独立で、 従って基底となる。もし、基底でなければ基底を成すベクトルの個数が を越えてしまう。 そこで、基本ベクトル を の一次結合として表せば、その係数行列 は、 を充たし、したがって となって (ii) の否定が 得られた。
以上により (i), (ii), (iii) の同値性が得られた。